2016年3月17日木曜日

深井戸と浅井戸

最近、観測している孔内水位が被圧地下水(の水頭)なのか、不圧地下水(の水位)なのか、よく聞かれます。

理学寄りの方は、その地点の自由地下水面より高い水頭を持つ場合に被圧地下水と呼ぶことが多いと思います。
一方、土木寄りの方は、掘削面を持ち上げたり、押し出し変形を与え たりするなど、掘削している(不透水)地盤に問題を与えるほど高い水頭を有する場合に「被圧している」といったように、現象面で呼ばれる方が多いと思います。
視点に違いがあるため、分からなくなるのでしょうね。

深井戸と浅井戸、ボーリング井戸と掘り抜き井戸もよく混在して用いられています。
被圧・不圧は詳しく書かれたものがありませんでしたが、深井戸・浅井戸は良いものがありました。
以下、深井戸と浅井戸の定義です。

地下水学会HPより
http://www.jagh.jp/jp/g/activities/torikichi/faq/9.html
  • 浅井戸は、第一難透水層より浅い帯水層に存在する地下水(自由地下水とも呼ばれます)を取水する井戸。
  • 深井戸は、第一難透水層より深い帯水層に存在する地下水(被圧地下水とも呼ばれます)を取水するための井戸のことです。
 http://www.jagh.jp/jp/g/activities/torikichi/faq/19.html
  • 被圧地下水は上下が難透水層でサンドイッチされた状態で帯水している地下水であり、これを取水する井戸は深井戸と呼ばれます。これらの地層中の地下水は遠く離れた山地に降った雨が何年もかけてゆっくりと地下を流れてきたものです。上部は難透水層で覆われ地層に勾配があるため、この帯水層の地下水には水圧がかかっており、井戸を掘削する(難透水層に穴を開ける)と水位は帯水層の深度より上部になります。被圧が大きくなると、地下水位が地表面よりも高くなり湧水となります。
  • 不圧地下水は不透水層が上部にない地下水であり、これを取水する井戸は浅井戸と呼ばれています。不圧地下水は自由地下水面と呼ばれる地下水位が存在し、揚水していない状態では地下水位と井戸の水位はほぼ一致します。降雨などにより水位は上下し、夏になると井戸が涸れた、という現象がみられることもあります。不圧地下水の地下水位の位置は帯水層の中のある深度に存在することになりますが、帯水層全てが地下水で満たされている(飽和されている)とは限らず、ある期間における地下水位の変動幅が帯水層の幅にイコールであるとも限りません。帯水層が存在しても地下水位がない(地下水が無い)場合もあります。
  • ちなみに、不圧地下水は地上から直接汚染物質が浸透する可能性があり、有害物質による汚染を受けやすい地下水です。
つまり、20~30mのボーリング井戸でも浅井戸はあります。 井戸の掘削延長で「深い」「浅い」ではないということです。

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