2013年5月6日月曜日

Heavy Metal Removal

先日購入していた図書を読み切りました。連休ですから、息抜きです。

「重金属類汚染対策のための鉱物材料ガイドブック」
独立行政法人日本学術振興会産学協力研究委員会鉱物新活用第111委員会重金属類と鉱物の相互作用に関するワーキンググループ(編) 著

珍しい種類の本ではないでしょうか?期待した定量的な話はほとんどなかったのですが、定性的にはよくまとまっていたと思います。読み物や入門書として良いと思います。初版ですので誤字、誤植は多いようですが、それもまた頭の整理には良いでしょう。

気になったのは115-116ページの図表。
mordenite を利用した重金属吸着のカラム試験結果が示されていました。時間があるので PHREEQC で再現することに。

まずは Cd。
これは頭打ちになっているので サイト数を決めるのに良いだろうということで最初に選びました。
初めは サイト数や比表面積でフィッティングしていたのですが合いません。仕方ないのでSURFACE_SPECIES で logK を調整し、フィッティング。
ちなみに PHREEQC が Ver.3 になり、計算中のグラフ表示ができるようになりました。パラスタには便利ですね!

次に As。
これも上記で同定したサイト数で、logK を調整し OK です。

次に Pb。
と、ココでつまづきました。
よく見ると、吸着量が Cd の5倍!原子量が2倍近いとしても、同じ吸着サイト数で5倍は表現できません。計算する前に気付けよ!という程度のものですが、ま、仕方ありません。
Pb を選択的に吸着するサイトが別にあるとしてモデルを作る方が早いなあと思い(本来はCdのモデル化が違うのかもしれませんが)、SURFACE_MASTER_SPECIES で別のサイトを作成。他の定義もすませて計算!

あいません。
いろいろ触りましたがダメ。
これ、KINETIC を入れないとダメなんでしょうね。SURFACE に KINETIC を入れるのはどうするのでしょう?同じ吸着サイトを使用したいのですけど。うーん。簡単そうに見えたんですが、今後ですね。

吸着やイオン交換は即時反応とみなすことが多いようですが、やはり試験時の流速には気を付けないといけないのでしょう。浸透流と併せてモデル化する場合は、特に気にしないといけないのでしょうね。忘れないようにしましょう。


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