Site scale modelling of groundwater evolution at SFR. A modelling application with iDP – SKB.com
AI要約
背景
スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)は、Forsmarkにある低・中レベル放射性廃棄物の最終処分場SFRの拡張を計画している。地質学的な処分の候補地の信頼性ある評価には、地下水の流動(hydrogeology)と地下水化学(hydrochemistry)を統合したモデル構築が必要である。しかし、数値的・概念的な制約や計算負荷のため、多くの従来研究ではこれらの重要なプロセスを個別に扱ってきた。本研究では、SFR周辺の地圏の進化を記述する3次元反応輸送モデルの構築と検証を目的とし、地下水流動と化学反応を統合したモデル化に取り組んだ 。手法
本研究では、DarcyToolsとPFLOTRANという2つの計算コードを連結する「iDP(interface DarcyTools-PFLOTRAN)」を活用した。DarcyToolsは複雑な地層中の流れ・物質輸送を、PFLOTRANは高性能計算環境での流れ・反応輸送をそれぞれ扱う。DarcyToolsで得られた透水性・圧力場等をPFLOTRAN形式に変換し、反応輸送シミュレーションを行う。地圏を等価連続多孔質媒体(ECPM)として上流から下流までを模擬し、rock matrix領域は「multi-continuum approach(Lichtner法)」により反応性を持たせている。
モデルの検証のため、1D、2D、多孔質岩石行列を想定したモデルや解析解を利用。化学反応は前研究FASTREACTとの比較のためベースケース(方解石+ヘマタイト平衡)とバリアントケース(方解石+非晶質硫化鉄(FeS(am))平衡)の2通りを設定。3500年間(2500〜6000AD)の沿岸線移動および気候変動・地下水組成の変化も考慮した。結果
3D反応輸送計算により、岩石マトリクス領域を含むモデルと含まないモデル(FASTREACTと同水準の設定)の比較が可能となった。
塩化物(Cl)の分布は、希釈・海岸線移動による水侵入の影響をよく再現し、岩石行列の拡散効果による急激な化学変化の緩和が見られた。
pH値は両ケースとも7.2〜8で安定。pe値、還元状態も3500年の計算期間で安定して保持された。
Fe2+等については、岩石マトリクスでの biotite 溶解による供給があり、反応的な鉱物(ヘマタイトあるいはFeS(am))の存在条件によって、濃度推移が異なった。
主要カチオンの動態、水理パターン、時空間分布についても詳細な可視化を3Dで実現した。
Fe^2+の濃度進展には岩石マトリクスの反応性の影響が顕著であった。バリアントケース(FeS(am)平衡)ではFe^2+の濃度はベースケース(ヘマタイト平衡)に比べて低下し、FeS(am)の沈殿が効果的なFe^2+の吸収源=シンクとなっていることが示された。
Cl^-のような保存的成分(反応しない成分)は水収支および拡散・移流の指標として有用であり、モデルでの到達遅延や空間分布が確認された
考察
岩石マトリクス(そのパラメータ)の設定によって、地下水組成の急激な変化(例:希釈効果、流動路の変化)が拡散・反応により緩和されることが示された。
従来の1DモデルやFASTREACTによる結果と、今回の3Dモデル(岩石マトリクスを加味したもの)の比較で、岩石マトリクスを考慮することの重要性が強調された。
モデルパラメータ(特に岩石マトリクスの空隙率、表面積等)が地質環境ごとに大きく異なるため、今後は現場データによるパラメータ同定が重要になる。
開発した3Dモデル(iDP)は、今後より複雑・広範なスケールでの安全評価や、放射性核種の挙動・バリア相互作用のモデル化が期待される。
亀裂(fracture)の移流分散と、岩石マトリクス拡散を解いているようです。岩石中の拡散パラメータを設定するのは難しいでしょうね。
反応計算の地球化学的パラメータは前研究FASTREACT(Román-Ross et al. 2014)のモデルに準拠とのこと。どのようなものでしょうか。
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