2022年7月26日火曜日

Seismic vs hydrologic triggering of landslide dams

USGS の Landslide Hazards Seminar を発見。
このような動画を公開されているとは。さすがです。

面白そうな動画を一つ見てみました。
Seismic vs hydrologic triggering of landslide dams in the Oregon Coast Range
https://www.usgs.gov/media/videos/seismic-vs-hydrologic-triggering-landslide-dams-oregon-coast-range


文献としては以下です。
Struble et al. (2020) Dendrochronological dating of landslides in western Oregon: Searching for signals of the Cascadia A.D. 1700 earthquake
https://doi.org/10.1130/B35269.1
LaHusen et al. (2020) Rainfall triggers more deep-seated landslides than Cascadia earthquakes in the Oregon Coast Range, USA
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.aba6790

Surface morphology: 地形の起伏と年代の関係は、見たことがあります。直接年代を求めることができませんので、14Cなどの結果との対比が必須になります。実務では見かけませんね。

Dendrochronology:  年輪年代学。木の年輪で降水量の多寡を把握できることは知りませんでした(13:50頃~)。年輪の個々の幅を計るのは地道な作業だと思いますが、文献では専用のソフトを利用したと書かれています。検索すると動画がありました。色の急変箇所でわかるのでしょうね。面白い。
長期成分をスプラインで除去する方法は文献には書かれていませんが、見た目以上に繊細な作業です。スプラインの頂点の間隔で答えが変わるのですが、どの木でも同じ間隔にしておけば問題ないのでしょうか。あとは相互相関を取ってマッチングするだけですので理屈だけは簡単なのですが、実装は簡単ではなかったでしょう。地震と同じ手法がこのようなところでも使えるのは驚き。ま、ベクトルにしてしまえば同じことですね。

天然ダムの安定性に関するお話も、シンプルで個人的には好きです(31:50頃~)。日本だと、異なるのでしょうか。関連文献は以下です。
Fan et al. (2020) The formation and impact of landslide dams – State of the art https://doi.org/10.1016/j.earscirev.2020.103116
Oliver Korup (2004) Geomorphometric characteristics of New Zealand landslide dams https://doi.org/10.1016/j.enggeo.2003.11.003

日本を調べている方は、またもや国外の方。怖いですね。

結論としては、地震よりも雨がトリガーになっていたようです。地道な研究を積み重ね、このような壮大な結論を導かれた方々にはリスペクトしかありません。

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