2013年9月15日日曜日

LSFLOW と LS-RAPID

準三次元地すべり運動解析プログラムによる地すべり性崩壊の被害範囲の予測, 土木研究所資料, 3057, 1992

LSFLOW に使われている支配方程式が掲載されています。それを順に追っていました。

が、最初から?の状態。
いえ、式が難しいわけではなく、掲載されている式に誤りがあるようです。基本的な連続の式の導出から、中の符号、余計なdxがついていたり、必要なところについていなかったり、NがMになっていたり。あちこちに?な部分がありました。ま、こちらも初心者なので、これはこれで意味があるのかもしれませんが。

基本的には、連続の式とニュートンの運動方程式を使っているだけですね。粘性項と外力項があるので、ナビエ・ストークスに近いと思います(自重項はありません)。あとは外力として内部消費が考慮されていますね。
近似はFDM。今まで、なぜ土石流のような大変形が解けるのか不思議で仕方なかったのですが、基本的には変形を解いているのではなく、流体の移動に伴う高さの変化のみを扱っているようです。ですから、粒子が移動するような可視化はできません。納得です。
計算は準三次元とありますが、高さによって物性の変化はないため、2次元に近いですね。

ソースも公開されていますので、それを読んでいますと、ここにも矛盾が。いえ、input ファイルに書かれているパラメーターよりも、読み込むパラメーターのほうが多くなっています。また、地震波の入力や計算のことは記載されていないのですが、ソースは整備されています。作成した時期にズレがあるのでしょうね。ちなみに、ソースは中央開発さん作のようです。
input ファイルの作成は EXCEL + VBA で、結果の可視化は Surfer などで十分対応できそうです。


よく似たソフトに五大開発さんのLS-RAPIDがあります。
作成は佐々先生のようです。論文になっている改良そりモデルでしょうか?
http://www.godai.co.jp/soft/product/products/LS-RAPID/index.htm

こちらも連続の式と運動方程式を使用していますが、粘性をあつかっておらず、自重、外力(せん断抵抗含む)+αといったシンプルかつ個人的には理解しやすい構成になっています。一応、間隙水圧も考慮されていますが、Jakyの式は3次元応力状態が対象でなかったはずですし、摩擦係数等のフィッティングという点ではLSFLOWと同じ扱いでしょう。離散化も差分、変形でなく高さの変化みの考慮ですので、本質的には同じつくりですね。ま、LSFLOWはすべった後、LS-RAPIDはすべり発生から扱えるという点が、大きな違いかもしれません。
http://phreeqc.blogspot.jp/2011/07/blog-post_30.html

ポスト処理としての動画が掲載されていますが、波動みたいです。うーん。





両者とも、高さのみの変化なので、可視化に工夫が必要なのでしょう。難しいですが。
やはり粒子法でしょうか?こちらはさっぱり進んでいません。理解しないと。



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