2016年7月30日土曜日

リンク効果

FFTでデータが2nに足りない場合、後続に振幅0のデータを加えるという手法があります。

これ、結構なことでは?と思うのですが、データの頭などの振幅が大きいと、案外リンク効果が外れません(両側に0を足す、というアルゴではまずいのでしょうか?)。
静かなデータを選んで、と言うのは、単にノイズが少ないことだけでなく、データの両端の振幅が小さいことを確認して、ということなのでしょう。

今回、バンドパスを通していると、両端のリンク効果だけでなく、中間にもサインカーブの様な単純波形がでてきました。おかしいと思いソフトメーカーと話しているうちに、バグであることが判明。修正版を送っていただきましたが、これで大丈夫、という安心感を得られずモヤモヤしています。

波形と言うのは変換、計算の連続でチェックが難しいですね。
理論と経験、どちらも必要というのはどの分野も共通でしょうが、なかなか満たすのは難しいと思います。


2016年7月28日木曜日

ボーリング調査時の安全管理

安全に妥協はありません。

色々な会社と一緒にお仕事していますと、安全管理にお金をかけているかどうかで社風が見えてきます。感心させられる会社もあれば、その逆も。
調査目的のボーリングに関しては、建設業法の建設工事に該当しないので、他律的でなく自律的な安全管理が主体となり、余計に目立ちます。

ボーリング調査での確認ポイントは現場により異なります。が、主に以下の点が共通点として挙げられると思います。

・資格(移動式クレーン、玉掛け、足場、若い人はボーリングマシン運転)
・ワイヤーの交換(前回の交換日は?点検色が混じっていないか?)
・持ち込み機械(移動式クレーンの年次点検などの確認)
・ヘルメット、安全帯、ライフジャケットなどの装備(交換目安を過ぎていないか?作業に適した種類か?通達に沿っているか?)
・安全施設の準備(バリケード、防音シート、看板、サインボード、チューブライト、H鋼ガードレールなど)
・許可申請(道路使用、河川区域、港内作業、岸壁使用など)
・歩道確保(ex.75cm)。
・難しい場所での仮設、三又を人力で倒す際などの人員確保(3人?2人?安全確認は?)
・KY、安全教育、熱中症対策などの実施状況


きっちりされている会社とは、安心して一緒に仕事をできます。
チェックリストを使用されているところもありますね。

私が勤めている会社はと言うと、
相手の方が不安を抱えられるかもしれません。うーん。

2016年7月25日月曜日

地すべり防止施設の点検マニュアル

先日、第三系の地すべり地帯を歩く機会がありました。

長時間の運転で到着。緑が美しい+山の傾斜が一律緩い、というのが第一印象。
目に映る範囲の山々が全て緩く、高さもそれほどありません。あちこち、滑ってそうです。傾斜が緩いから安定、という訳ではありません。こういうところの切土は、悩みますね。
集水井を覗いてまた納得。一律浅い。傾斜が緩いので、地表からだと横ボーリングが届かないのでしょう。四国や由比の地すべりとは一味違います。

そういえば、今年の地すべり防止工事士の更新講習では、地すべり対策施設の維持管理が講義の中心でした。時代だなあと思いながら聞いていましたが、役に立ちました。
点検マニュアルは国交省さん、農林さん、県、土研さんなどで、別々に出されています。今後、斜面協会からも出版されるそうです。

「砂防関係施設点検要領(案)」平成26年9月24日 国土交通省砂防部保全課
http://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/sabo/tenken.pdf

「地すべり防止施設の機能保全の手引き ~抑制工編~」平成25年6月 農村振興局農村環境課
http://www.maff.go.jp/j/nousin/noukan/tyotei/t_zisuberi/pdf/tebiki_all.pdf

各現場によって地すべりの深さや傾斜に違いはあるでしょう。しかし、対策工の種類は限られています。維持管理で見る視点はそれほど変わりません。
人材共有を目指し、マニュアルを統一していただくと、ありがたいですね。

2016年7月24日日曜日

波動の基礎知識

今日は久しぶりの空き時間を、読書に費やしました。

まず、大崎順彦「新・地震動のスペクトル解析入門」。

以前より何度か読んでいましたが、基本、ソース部分とそれに関する記載箇所のみで、飛ばし読み状態でした。今日は最初からp110までの、微動の整理にも多用する箇所を中心に読み進めました。


途中、ナイキスト振動数が出てきました。
これ、先日、ソフトメーカーに問い合わせた中でも出てきました。H/Vを計算させるのに周波数領域を指定するのですが、その指定した領域と書き出された領域が高低両者とも一致しません。
これを問い合わせたところ、「指定は画面表示のみで、計算はすべての周波数で実施している。上限が50Hzとなっているのは、ナイキスト周波数で、サンプリングを100Hzとしているのでは?」との回答。
はい、正解です。

もう1冊。
斎藤正徳「地震波動論」
こちらは親切な補足があるにもかかわらず、途中でKOされました。数式もそうですが、内容すら理解できない個所があるのです。大学の講義用テキストらしいのですが、この方面、私の基礎力がまだまだ足りません。
はしがきを見ると、応用地質さんの物理探査グループも絡んでいるようですね。この内容を1企業内でゼミとして受講できるのはうらやましい限りです。

まだまだです。
また、時間あるときに読み返しましょう。


2016年7月23日土曜日

熱中症対策

梅雨が明けた?と思ったら、8月のお盆前まで出張決定。

夏が来た途端に、毎日外歩き!?と思いつつ、準備のため近くの店に買い出しに。
そこで見つけたのが空調服。昨年から現場で見かけていましたが、試着できる店は初めてだったので、着させて頂きました。

まずはマキタのファンジャケット。
良いですね。涼しい。腰から背中を中心に風を感じます。汗が引きます。腕はさすがに風の通りは弱いですね。バッテリーが少し重いですが、なかなか良いと思います。バッテリーチャージャーはあるので、ファンジャケット、バッテリーホルダー、バッテリー1個で\25,800也。

次はSUN-Sの空調服。
うん、これも涼しい。若干、こちらの方の風通りが良いように感じますが、大差なしです。バッテリーが小さく内ポケットに入る仕様ですが、稼働時間はコチラの方が短い。充電に必要な時間も5時間。お店の方によれば、バッテリーを2個買って帰る方もいらっしゃるようです。ブルゾン・ファンユニット・バッテリーセットで\21,500也。

最初なので、相対的に安くて軽い方(と言っても高くて重いのですが)「空調服」を購入。

最初の充電は4時間くらいでした。早速、ファンをブルゾンに取り付けてみました。マキタのファンはジッパーで着脱容易でしたが、空調服はイマイチ。時間がかかります。コードが長く、取り回しもイマイチ。これ、朝に付けるのは面倒ですね。やはり、洗い替えが必要でしょうか。
山に入るとファンに枝が刺さって壊れそうなので、不織布を切って輪ゴムでとめ、カバーにしました。うーん、取り付けにくい。マキタの方がよかったか。


現場では、WBGT値の掲示で作業員に熱中症の注意を促すケースがあります。が、これ、ほとんど役に立ちません。
現場に掲示することで元請側の安全管理責任を果たしている雰囲気が出ます。一方、下請(あるいは元請の社員)は以下の様なロジックで物を考えているのではないでしょうか?
・WBGT値高い>休憩をこまめにとる>出来高が稼げない、進捗が遅れる>怒られる、稼ぎ減る。>暑くてもがんばろう。

これが、以下のようになれば、解決に一歩近づくのでは?と思いますが、なかなかでしょう。
・WBGT値に応じ、作業時間50分で休憩時間10分など、元請が時間・工程について管理する。その指示に基づいた下請の進捗遅れ分の賃金を施主・元請が合意・保証する。要は夏単価の作成・採用です。

暑くても頑張っていつも通りの進捗を、という方向の考え方は危険です。が、施主側の単価が変わらない以上、現段階では自衛するしかないと思います。

空調服、どの程度活躍するか。使用結果は盆前に。

2016年7月22日金曜日

昔の数値解析

先日、先輩から教えていただいた「地盤工学における数値解析の実務」を眺めておりました。

土質工学会、29年前の古い図書です。
存在は知っていましたが、数値解析の初期の図書だと思い込んで読んでいませんでした。
 
中を見て驚いたのが、崩土の運動モデルから説明があったこと。運動エネルギーの変化と位置エネルギーの変化を等式で結ぶところから、書かれていました。ま、LSFLOW も古いコードですから、この時期に、このような話があっても不思議ではありません。むしろ、当然です。

浸透流は勿論のこと、降雨による強度低下を取り入れた計算もありますね。現在、ほとんど進展していないのはなぜでしょう?
地震応答解析、圧密、掘削、トンネル、地下空洞なども一通り掲載されています。定数の設定方法など、実務での工夫には驚きました。昔の方が、自由に設定できた印象を受けます。楽しそうですね。

基本的には、約30年前には数値解析の考え方と実務への適用法が出来上がっていたようです。その後、ハードが発達し、大きな器を使える恩恵を受けたというのが現在の大きな変化でしょう。数値解析のコアが大きく変化していないことに関してはやや複雑な思いですね。

昔の方々はよく考えられていますね。あらためて感心です。

2016年7月21日木曜日

1軸は4供試体?

一般的に、1軸圧縮試験では1試料3供試体が多いように思います。

ところが、港湾では1試料4供試体が標準となっています。旧運輸省港湾建設局時代からの決め事です。

トリプルも 116mm が基本です。つい先日も、86mm ではダメだと後輩が言われていました。(出典は1軸と同じです)
116mm だと、5インチのケースを多めに段取りしないといけません。モノも手間も大きくなります。

技術とは別の部分ですが、こういったお客様にとっての「しきたり」「常識」も覚えておかないと、つまらないところでロスが発生します。注意しましょう。


2016年7月20日水曜日

2次元弾性圧密解析

圧密解析を弾性解析で解くことがあることを、先輩から教えてもらいました。

ソースは以下の通り。 実務的だなあと感じましたね。
土質工学会「地盤工学における数値解析の実務」
29年前の古い図書です。

全応力のE50から有効応力のEへの変換は、どこかで見たことがあるなあと思ったら、コレでした。
http://phreeqc.blogspot.jp/2015/04/blog-post_47.html

圧密試験のmvからEへの変換は以下の通り。
平面ひずみ状態の仮定ですから、3次元にそのまま使えるかどうかはまた別のお話。以前の講習会では気にしなくてよいとも伺ったことがありますが。





これ、知りませんでした(有名な式ならどこかで見てるかもしれませんが)。調べる必要がありますね。

  先輩がおっしゃるには、やはり合わせ込みが必要とのこと。何に合わせるかと言うと、2次元圧密計算。本末転倒の様な気がしますが、応力状態を求めたいので仕方ありません。

しかし、応力が必要であれば、塑性も考えなくてはダメでは?と思います。 弾塑性でしょうね。

2016年7月19日火曜日

H/V

春先に実施していた常時微動測定データを整理していました。

この整理の中で、H/V の算出方法について疑問点が出てきました。
これ、採用する時間(データ個数)や算出式に決まりはないようです。

実務でよく使われるのは港湾基準でしょう。平成24年3月の部分改訂で算出の手順が示されています。163.84 秒はFFTの制限から来ているのでしょう。
以前、水平2 成分の自乗平均の平方根を用いるよう指導があったようですが、基準では自乗和平方根となっており、ベクトルの長さとして理解しやすくなっています。
http://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk5_000017.html

修士論文でも面白い内容が公開されています。採用時間、算出式ともに上記内容とは異なります。式は理論H/Vに合わせているとのこと。
http://www.kochi-tech.ac.jp/library/ron/2009/g19/M/1125109.pdf
微動のH/Vスペクトルから推定した 高知平野のS波速度構造断面

「理論H/V」を知りませんでした。固有周期とH/Vは経験上のノウハウに近いのかと思っていましたが、そうでもないようです。早速、図書を注文しました。
表面波ともリンクしていますので、学ぶべき箇所だと思います。まだまだ基礎が足りません。


整理結果は、予想以上に面白くなっています。
もっと、基礎力をつけ、測定箇所を増やし、分析を進めましょう。


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20160724追記
参考図書「地震波動論」を見ましたが、理論H/V を見つけられませんでした。

2016年7月18日月曜日

H28 技術士

今年の技術士試験は、ダメでした。

午前中は体調すぐれず、隣のおじさまの臭いと机の揺らされ具合がプラスし、気分が悪くなりました。もうダメかも、と考えながらマークシート修了。(ニオイに関しては、女性技術者の方が不利ですね。)

午後はそこそこ準備していたつもりでいましたが、問題を見た瞬間OUT。せっかく頑張ったのに、と思いつつも手は動き、紙面は埋まってしまいます。内容のない薄っぺらい文章ですが、年の功です。相変わらず漢字も出てきません。
ただ、集中できていたのか、ひと段落した時には残り30分。まだ数年は大丈夫なようです。
 
帰ってからネットを見ると、問題に対しては同じような感想を持たれた方が複数いらっしゃるようでした。一方、できた方も中にはいらっしゃるようですので、力のある方を選別するには良問だった、と言えるとも思います。

さ、気を取り直して、明日から仕事に向かいましょう。