2012年4月30日月曜日

GSサンプリング

設計者より依頼。

「GSサンプリングとベンダーエレメント試験をしてもらえないか?」

話を聞けば、動解(FLIP)に使用したいとのこと。
しかし、どちらもレアです。私自身、見たことも触ったこともありません。

GSサンプリングは、大阪の業者さんがあるコンサルトさんと開発した手法と聞いています。以前、そのコンサルさんが仕込んだ仕事で仕様に入っていたことがありました。できる業者を調べましたが、その業者さんだけでした。しかも特許がかかっています。内管固定式であるところがミソらしいですね。礫対応とありますが、今は通常のコアチューブでも腕の良いオペさんはほとんど乱さずに上げてくれます(腕の悪いオペさんはサンプリング自体を任せられませんが)ので、それほど利点を感じません。

ちょうどGSサンプリングを実施している先輩がいましたので詳細を聞きました。
結局、扱うオペさんの腕によるとのこと。トリプルに比べれば長短両方ありとのことでした。平気で「礫は動く」と言うオペさんもいらっしゃり、何度も掘りなおしを指示しているようです。そりゃ、1本10万円でトリプルよりも良い試料がとれると宣伝しておれば、お客様に残念な試料をお見せすることができません。試験結果にも顕著に現れますし。
残念ながら現場まで見に行くことはできませんでしたが、聞いた範囲で利点は感じませんでした。

それらのことを設計者に話し、いったいどんな現場(土質)に使いたいのか?と聞いていくと、どうも液状化しそうな緩い砂をとりたいとのことでした。

では、トリプルで十分です。結局、トリプルを計画しました。

BE試験については後日。


2012年4月29日日曜日

SoilPlus 2012 でSSRFEM?

SoilPlus2012 のリリースノートに、せん断強度低減法が使えるようになったと記載されています。

せっかくなので試そうとしているのですが、リリースノート以外に説明がありません。
マニュを検索しましたが引っかかりませんし、オンラインヘルプには「整備中」とあります。結果の表示方法すら分かりません。
静的解析の内、施工段階を組まないとSSRMの計算スイッチが出てきませんので、そちらしか対応していないのでしょうか?

サポートに問い合わせると、その辺の説明はありませんでしたが、結果についてはリストのTXTデータ内に記載されているので、(エディタで)検索して下さいとのこと。ポストでは抜き出せないようです。施工段階で100ステップ繰り返していましたので、100回抜き出してくださいということなのでしょう。何とも、です。

リストを見てみると、確かに安全率が表示されています。が、どうも1ステップ0.001しか安全率を上げておらず、発散まで計算していないようです。初期安全率が0.01から上昇させていますので、最終ステップで0.11までしか計算していません。よくわかりません。

もう少し触ってみましょう。

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2012.5.10追記
サポートからTELがありました。
やはりソフトの不具合で修正中とのこと。

昇格試験

管理職への昇進試験を受けるように、上司から推薦を受けました。 実は、2年前にも推薦され、辞退を許可されず試験を受けましたが、白紙提出で早々に退席しています。 辞退理由は・・・単純に「試験準備が面倒」です。「名ばかり管理職」に魅力がないというのもあるかもしれませんが。ただ、昇進のチャンスを辞退するのはレアなようですね。

今年も優秀な後輩や同僚を推薦し、辞退しようとしました。が、後輩が受験できないということで、先日、試験を受けてきました(能力主義と言いながらも、実態は年功序列)。
が、形だけ。早々に中途退席すると、Executive から呼び止められ叱られました。やはり、社内の階級が上の方は、それをより重要視されているようです。仰ることも理解できましたが、何にせよ準備不足でしたので試験に対応できません(まず、漢字が書けません)。

まあ、これで2回目ですので、executives が総替えにでもならない限り、これで管理職に上がる道はなくなってしまいましたね。詰将棋的に、予想はできていましたが。

近年、先輩や同僚、特に過重労働が常態化している設計部署の方が流れ込むように地方自治体へ転職しています。年収は変わらず、楽ですからね。まあ、何事もポテンシャルの高いところから低いところへ流れて行くのは自然なことです。
その後の傾向を聞くと、最初は頑張るけれども、だんだん公務員色に染まっていくようですね。ただ、技術力はあるので、上司にかわいがられ昇進のチャンスも早いそうです。しかし、同年代の公務員プロパーから足を引っ張られ昇進を阻まれるケースもあるようです。

自然と共に暮らす生活が理想ですが、現実は甘くない。ろそろ潮時かもしれませんが、この年なので斜陽産業からの脱出は難しいでしょうね。

2012年4月26日木曜日

Executive の提案書

ダメな executive はどこにでもいるものです。

地下水解析の提案書を executive が作成し、採用されました。といっても お客様は詳細を読まれていない、そういう採用です。

私が担当として呼ばれたのですが、提案書の意味がよく分かりません。いえ、体裁は良いのですが、技術的な内容や言葉の意味がわからないのです(この方の文章、いつも理解できません)。

例えば、「ワンデーレスポンスを意識した緊急連絡網の作成」。意味が分かりません。話を聞くと、すぐに連絡が取りあえるような緊急連絡網の意味らしい。近いようで遠い。
 「現況のパラメーターを逆解析で求める」は文面通りかと思いきや、通常のパラスタの事。それ、順解析です。しかし書いてしまってますからね。早速、逆解析ソフト、買ってもらいましょう。
「移流分散特性を求める為の室内試験」は、カラム試験で遅延や分散長を求めるのかと思いきや、汚染の深度による到達時間の遅れを表したいので室内試験がいると考えた程度。それ、通常の非定常解析の事です。遅延は安全側で見込まないことが多いんですよ。

結局、フォローをするのは我々のような駒。
まあ、技術力でない所で仕事を取れるなら、それはそれで役割を果たしたともいえますが。出来れば、基礎力をつけて支障のない文章を書いていただきたい。あるいは、管理に専念して、技術から足を洗ってほしい。あるいは御自分で責任を背負っていただきたい。

老いたことに気付かない老人になってはいけない、自分の身の丈に会った仕事をしないといけないと、つくづく思った1週間でした。




ロッキング

多層地盤の支持力をチェックしようと SoilPlus 2012 で計算しました。

モデル自体はDXFを取り込めますのですぐにできます。2次元では平面ひずみ1次要素しか対応していませんので、しかたなくそれでモデル化しました。
が、計算すると、何かおかしい。

よくわからないので、地盤工学会「3.弾塑性有限要素法をつかう」にある簡易なモデルでチェックしてみました。結果、理論解より1オーダー高い値が出ています。変位と支持力の関係をプロットすると、ほとんど弾性の挙動でした。
そんなものなのかと思いながら、3次元のソリッド要素で、境界条件により平面ひずみ状態を作り2次元的な解析を行いました。すると、理論解よりやや高い程度の値が出てきました。

原因がよくわからず、社内のプロやサポートに聞きましたが、満足な回答が得られません。モデルをチェックしてもおかしなところはありません。そんなこんなで3夜ほど考えていました。

まさか?と思い、2次元モデルでせん断成分の減退積分を行ったところ、オーダーが合致しました。

ロッキングでした。

しかし、ソリッド要素の結果に比べ、まだ値が高いので、体積成分に対し減退積分を行いました。結果、ソリッドの結果よりも低くなり、より理論解に近づきました。が、アワーグラスが発生しておりダメ。しかも、時間がかかる。
メッシュを細かく切るしかないのでしょうね。


今回のように、明らかにおかしいと思える場合は良いのですが、ちょっと違うと気付かないこともあるでしょう。そんな心配やチェックの手間を考えるなら、SoilPlusでは2次元モデルは扱わず、ソリッド要素を使うしかありません。平面ひずみならDXFを読み込んで1m押し出すだけなので、手間はそれほど変わりませんし。

ソフトにはクセがあります。今回の場合はクセというか仕様?なので私の理解が足りなかったのが原因でしょうけど。まあ、どんなソフトも中身と自分のレベルをよく知ることからですね。

ロッキングとその回避、復習しておきましょう。

2012年4月21日土曜日

SoilPlus 2012 の洗礼

SoilPlus を2012にUPしました。

ようやくネットワークキーに移行したのですが、立ち上げてみると早速エラー。ライセンスを認識しません。1時間くらい触っていたのですが全く駄目。例の春の洗礼か、と思いながらサポートに連絡しました。

翌日、バグであったと返答があり、後日、修正されたライブラリが送られてきました。
入れ替えると認識するようになりました。

その後、簡易な2次元モデルで静的変形を試してみました。例の多層モデルの支持力チェックです。
2次元ですからすぐにモデルはできました。施工段階を組み込み、解析実行!
しかし、またもエラー。モデルを何度チェックしてもおかしな箇所はありません。

2時間程度モデルをチェックして、ようやく分かりました。2次元では2次要素が使えないようです。解析種別で施工段階解析を選択すると「USER FATAL MESSAGE 2020」といったエラー番号しか出ないのですが、静的解析(1ステップ)だと「2次元2次要素は使えない」といった趣旨のエラーがでます。まさか、変形で2次要素が使えないとは思いませんでした。
結局、1次要素に変換すると、問題なく動きました。

Ver.2010では浸透流で面流量が選択できるにもかかわらず機能しない、2011ではダイレイタンシー角が入力できるのに解析結果に反映されない、2012では2次元2次要素が選択できるのに解析時にエラーを出す。こういった、使えないにもかかわらず、モデル作成時には通常通り選択でき、結果に反映されなかったり解析中にエラーを吐きだすといったアプリの設計は不親切ですね。


まあ、春の洗礼の一つでしたが、悪い話ばかりではありません。

2012になって、3次元SSRMが使用できるようになったようです。2次元で使えるのかどうかは分かりません。まだ試していませんが、支持力のチェックが終われば試してみましょう。


2012年4月20日金曜日

粒子画像流速測定法 (PIV)

先日、後輩から粒子画像流速測定法 (PIV)を地すべりに適用した事例を紹介してもらいました。

地すべりで画像を使用した移動方向の推定を行う場合、精度を保つには画像のプレ処理が難しいだろうなあ、と思いながら聞いていました。まあ、これは Optical Flow でも共通しています。

聞きながら、ふと、思いつきました。
「これ、河川や泥流の流速が測れるのではないか?」

以前、Optical Flow で流速が測れるのでは?という思いつきを書いたことがあります。http://phreeqc.blogspot.jp/2012/02/lp.html
PIV と流体の流速について調べてみると、国交省でも研究されていたようです。H15年の発表が公開されています。その後、どうなったのでしょう?技術的に困難だったのでしょうか?
http://www.mlit.go.jp/chosahokoku/h15giken/pdf/0214.pdf

さらに調べてみると、既に PIV を利用した測定器も販売されていました。かなり進んでいますね。


先輩が泥流を WEB カメラで観測している現場があります。国交省の発表のように本来は補正が必要ですが、まず PIV ソフトで認識するかどうか試してみましょう。

2012年4月17日火曜日

直接基礎の支持力

直接基礎の支持力を計算しようと思い、設計にソフトを借りに行きました。

が、愕然。

多層地盤に対応したソフトがないとのこと。どうして計算しているのかと聞くと、荷重を下層に分散させ、再度仮想の基礎として計算し直しているとのこと。面倒ですね。

本当にないのでしょか?上層から順番に許容支持力を満足するかチェックして行くだけです。
確かに、今まで意識したことはありませんが、それほど難しい計算ではなく単なる繰り返しだけですのでEXCELでもできそうですけど。

FEMなら一発でチェックできますので、今回はそれでチェックしましょうか。土質分布の変化も反映できますし。単純化するための仮定も不要です。
設計の場合は仕様から外れるので不可なんでしょうね。

新道示で仕様の複雑さが増しているのでしょうか?
明日、説明会です。よく聞いておきましょう。

プロファイルの修復

WinXP のユーザープロファイルが壊れました。

デフラグをかけようとしたところ、うまくスケジュールに組み込めなかったのか、立ち上がりません。何度やっても途中で止まるので、前回正常起動時の構成を使って起動しました。が、ユーザープロファイルが壊れてしまい、他のユーザーからしかログインできなくなりました。

しかし、アクセス権を設定していたのが裏目に出てしまい、他のユーザーからプロファイルが覗けません。セーフモードで覗こうとしてもダメ。

仕方ないのでAIST の KNOPPIX を DL し、CD に焼いて起動ディスクを作成しました。
http://www.rcis.aist.go.jp/project/knoppix/
起動してみますと、ちゃんと中身が見えます。Linux ベースなので Win のアクセス権やパスは無関係です。逆にいえば、データを守るには暗号化して保存しておくしかないようですね。
しかし、AISTはなぜこのようなOSを開発しているのでしょう?緊急用でないことは確かでしょう。目的がよく分かりませんが、まあ、ありがたいです。

ということで、NTUSER 関連ファイルを入れ直し、ほぼ以前の状態に戻すことができました。



2012年4月15日日曜日

技術者の想い

テレビをつけていますと、「ほこ×たて」で、硬い金属とドリルの対決を放送していました。

どんな金属でも穴を開けるドリルと、貫通させない金属(20mm厚)、どちらが勝つかといった内容です。金属の方は既に数社のチャレンジを受け、全て返り討ちにしてきたようです。

専門ではないので技術的なことは全く分かりません。しかし、それを作っている技術者、チームの想いはよく分かりました。作っている製品への自信やプライド、技術者の根底部分での勝負、素晴らしいですね。

仕様、基準も含め技術と呼ぶべきなのかもしれませんが、それに慣れていると、今回のように純粋な技術論を戦わせることができません。少なくとも、自分の製品が敗れて目が潤むとほど、熱い思いは仕様・基準に規制された仕事の中にはないでしょう。

今回のような人たちこそ、技術者と呼ばれるべきなのでしょうね。


2012年4月14日土曜日

プロファイル法と電磁波速度

http://phreeqc.blogspot.jp/2012/04/blog-post.html
上記で知りたかったプロファイル法の結果から電磁波伝播速度(比誘電率)を求める文献を購入しようとしました。

しかし、できませんでした。内部・外部ともに「所蔵なし」という結果です。それ程レアな雑誌か?と思い検索してみると、すぐに引っかかりました。pdfも公開されています。勇み足でしたね。反省。
J. A. Huisman (2003) Measuring Soil Water Content with Ground Penetrating Radar: A Review, Vadose Zone Journal, 2, 4, pp.476-491
一読で(内容も英語も)理解できす眠くなったので、お風呂に入り考えました。で、思いつきました。

文献中を見直すと、あっています。三角形の辺の長さを仮定して連立で解く、2元1次方程式でした。中学校の数学です。しかも初歩の初歩。

しかしながら、これでは体積含水率の分布が分かりません。異常箇所までの平均的な速度より平均的な含水率はわかるのですが、その中の分布がわからないのです。つまり、異常箇所が複数ないと、解像度を高めることができないのです。
このあたりはプログラミングで何とかなりそうですがどうなんでしょう。既に実装しているソフトもあるかもしれませんね。

GPR water content で検索すると 多くの情報が引っかかります。土壌(農業)関係が多いのでしょうか。テキストもあるようですね。中には透水係数を推定するといたものもありました。ハードが海外製なので、解釈や利用法も海外が先行しているのでしょう。特に、水の比誘電率をモロに受ける手法ですので、水みちや含水分布調査などに特化しているのでしょうね。

もう少し調べてみましょう。


2012年4月13日金曜日

被災地への応援?

被災地へ応援に行っていたボーリング班が帰ってきました。

「もう2度と行かない!」とのこと。

話を聞いていると、宿がないそうで(まあ、当たり前)、内陸の被災していない民宿に同業の客が集まっているとのこと。宿にしては入れ食い状態で、宿泊期間の長い人、大人数の会社を優先的に選んでいたそうです。少人数だと狭い部屋で雑魚寝状態。他にも色々愚痴を聞きました。
結局、最後はアパートを借りて布団や生活用具を持っていき、上司と雑魚寝していたそうです。
被災地の人たちの状況も聞きましたが、まあ、聞いた話なのでやめておきましょう。

基本的に話半分で、全てがそうではないでしょう。
しかし、資本主義ですから供給が需要に追い付かなくなれば、質が落ちるか価格が高騰するのは当然です。被災地の手助けにと思って向かい、被災していない人たちにカモられて帰ってくるのは良い気がしないでしょうね。せめて「2度と行かない」といった思いはさせて欲しくないです。

私も来週から仙台入りする可能性があったのですが、先輩が向かうことになりました。この先輩、阪神大震災ではテントで寝泊まりして仕事をされていた方です。どういった話を聞けるでしょうか?

2012年4月12日木曜日

ニューマーク法

ニューマーク法を利用した残留変位量の算定ですが、NEXCO さんの基準を確認してみました。

設計要領第1集土工編の「第6章 高盛土・大規模盛土」に書かれています。私が見たのは平成22年7月版ですが、その前からニューマーク法は掲載されているようですね。
読んでみましたが、概念としてしか分かりませんでした(数式の導出が分かりません)。どうも、最初にすべり面を円弧で探索しておいて、そこに設計加速度を与え、降伏加速度(これがイマイチ分かりません)を超えた場合に時間積分によって回転加速度から回転速度、回転角を順に求め、さらに回転角から変位量を求める手法のようです。変位量を求めたいのであって、安全率を求めたいようではないようです。また、ピーク強度と残留強度を設定する、ひずみ軟化が基本のようですね。

道路土工でも書かれていましたが、こちらは詳細がありませんし、浸透流と同じように逃げ道も作られているようです。

よくわからないのですが、2次元で変位を求めたいのであれば、素直に動解で済む話のような気がします。円弧を仮定する必要もありませんし、基礎地盤の変位も無視する必要もありません。なぜ、新たな手法を道路土工や NEXCO さん が持ってきたのでしょう?学会やソフトメーカーが委員会でも立ち上げていたのでしょうか?

古い話を見返してみると、PowerSSA や FORUM8 もすぐに対応していたようですから、実務自体は混乱しなかったのでしょうね。

まあ、いろいろな手法があるものです。


2012年4月11日水曜日

インバーターの故障

GRUNDFOS のモニタリングポンプ MP1 が壊されて帰ってきました。

いろんな測定機を他支店へ貸し出すことが多いのですが、壊れっぱなしで帰ってくることもよくあります。MP1は昨年メンテナンスに出したばかりですが、早速壊されるのは悲しいですね。まあ、今の時期ですから分解清掃程度はこちらでも可能です。ということで、ポンプを分解清掃してみました。

まず、電動部の潤滑液(純水)が空っぽ。インぺラに砂がカミカミ。これらを清掃して仮組みし、スイッチを入れても、確かに動きません。
コードの抵抗を測ろうとしましたが、テスターも故障。インバーターにつなげて周波数を上げていきますと、人力ではモーターが回せなくなりますので断線ではないようです。インバーターからの電圧は伝わっていますが、周波数が制御できていない模様。表示もされません。

他支店にあったインバーターを送付してもらい、接続してみたところ、なんの問題もなく動きました。インバーターの故障でした。19年前のインバーターなので、仕方ないでしょうね。

まあ、新品を購入しても数万円だろうと思い、グルンドフォスに価格を問い合わせてみました。が、なんと34万円!なぜそんなに高いのか分かりません。単層100V仕様に改造しているのでしょうか?付属品やケースをつけた値段だからでしょうか?しかし、高すぎます。

透水試験や揚水試験によく使っていたのですが、最近ではエンジンポンプで代用する場合が多くなっています。2~3万までで購入できますし、簡単な揚水量調整もできますので。
ただ、揚水試験や現場透水試験では、水位低下(揚水量)の調整や揚程が重要ですし、ステン構造ということで汚染物質の種類にも関係してきます。今後、本当に必要になった場合には修理か購入を executive にお願いしましょう。


2012年4月10日火曜日

DECALTで沈下計算

今日は富士通エフ・アイ・ピー社の DECALT で圧密沈下量を試算しました。

富士通エフ・アイ・ピー社の製品は DECALT,  COSTANA, を全社共有ライセンスで購入してることを知っていたのですが、個人的にほとんど使用したことがありません。圧密は計算機会がほとんどないため、安定計算はPowerSSAをメインで使用しているためです。とにかく、両者ともモデル入力の面倒さが欠点です(このあたりは後発の SoilWorks のコンセプトが良いですね)。

今日も入力に手間取りました。
Civil3D 2012 で書き出した DXF はなぜか読めませんでした。Civil3D で吐き出したものを V-nas で読み込み、そこで再度 DXF に吐き出します。これで DECALT でも読めるようになります。
読めると言っても、line などの端点を読むだけで、そこから手作業で線をつないでいく作業が発生します。なんともDOS-Like、とは言いすぎかもしれませんが、Win95くらいのアプリを彷彿させます。
しかし、所詮は1次元の沈下計算なので、作業を始めてから2時間くらいで1ケース終わりました。特に機能的な制約もエラーもなく終了、簡単です。
結果は50cmの沈下。実際の土に対してやや安全側と思われるパラメーターを使用した為か、素人目には過大に出ていると感じました。今回は試算ですから、ある程度固まった段階でプロに聞いてみましょう。


DECALT や COSTANA の最新版のカタログを読んでいて知ったのですが、いろいろ連携できるようですね。圧密後の強度増加を考慮した安定計算ができるようです。また、AFIMEX( これもライセンスを購入していました)と COSTANA で動解を組み合わせた計算もできるようです。これは NEXCO の2009年の基準に沿った仕様のようですね。NEXCO の道路設計は別部門ですので知らなかったのですが、内容は面白そうです。カタログだけでは詳細が分かりませんので、ちょっと基準を見てみましょう。

2012年4月8日日曜日

盛土造成地の耐震

昨日の続きです。今日は耐震の整理。

国交省の宅地防災マニュアルには、耐震の記述もあります。
http://www.mlit.go.jp/crd/web/topic/pdf/takuchibousai_manual070409.pdf

それらを読んでいて、以下の文章に目がとまりました。
IV1 耐震対策の基本目標 開発事業において造成される土地、地盤、土木構造物等(以下「宅地」という )の耐震対策においては、宅地又は当該宅地を敷地とする建築物等の供用期間中に一~二度程度発生する確率を持つ一般的な地震(中地震)の地震動に際しては、宅地の機能に重大な支障が生じず、また、発生確率は低いが直下型又は海溝型巨大地震に起因するさらに高レベルの地震(以下「大地震」という )の地震動に際しては、人命及び宅地の存続に重大な 影響を与えないことを耐震対策の基本的な目標とする。
宅地防災研究会「[第二次改訂版]宅地防災マニュアルの解説」によれば、以下の定義がなされています。

「中地震」・・・深度5
「大地震」・・・深度6~7
「機能に重大な支障が生じない」
・・・宅地に被害が発生しない、通常の維持管理を超えない。
「人命及び宅地の存続に重大な 影響を与えない」
・・・クラック・はらみ出し・多少の滑動は許容するが、倒壊・崩壊は許容しない。

安定計算では地震時に崩壊するかどうかは対応できますが、中地震時に被害が発生するかどうかは分からないと思います。それを検討するには、中地震時に許容される変位量が必要でしょう。変位量の検討を提案すべきということでしょうか?

安定計算については以下の通り。
VI3 盛土のり面の安定性の検討 
1)安定計算
盛土のり面の安定性については、円弧滑り面法により検討することを標準とする。
また、円弧滑り面法のうち簡便式(スウェーデン式)によることを標準とするが、現地状況等に応じて他の適切な安定計算式を用いる
4)最小安全率
盛土のり面の安定に必要な最小安全率(Fs)は、盛土施工直後において、Fs ≧ 1.5であることを標準とする。また、地震時の安定性を検討する場合の安全率は、大地震時に Fs ≧ 1.0とすることを標準とする。なお、大地震時の安定計算に必要な水平震度は、 0.25に建築基準法施行令第八十八条第一項に規定するZの数値を乗じて得た数値とする。 
VI5 盛土全体の安定性の検討
盛土全体の安定性を検討する場合は、造成する盛土の規模が、次に該当する場合である。
1)谷埋め型大規模盛土造成地
盛土をする土地の面積が三千平方メートル以上であり、かつ、盛土をすることにより、当該盛土をする土地の地下水位が盛土をする前の地盤面の高さを超え 盛土の内部に侵入することが想定されるもの 。
2)腹付け型大規模盛土造成地
盛土をする前の地盤面が水平面に対し二十度以上の角度をなし、かつ、盛土の高さが五メートル以上となるもの。

①安定計算
谷埋め型大規模盛土造成地の安定性については、二次元の分割法により検討することを標準とする。
腹付け型大規模盛土造成地の安定性については、二次元の分割法のうち簡便法により検討することを標準とする。
④最小安全率
盛土の安定については常時の安全性を確保するとともに、最小安全率(Fs)は、大地震時に Fs ≧ 1.0とすることを標準とする。なお、大地震時の安定計算に必要な水平震度は、0.25に建築基準法施行令第八十八条第一項に規定するZの数値を乗じて得た数値とする。
VI5 にて腹付け型と谷埋め型で、簡便法かどうかを使い分けていますね。背景は、円弧か非円弧かというところでしょうか?。谷埋め型のように、縦断方向の弱層に支配される滑りは非円弧です。が、多くの設計者は円弧で探索してしまうのでしょうね。

宅地防災マニュアルの解説IV3p93-94によれば、設計水平震度0.25でFs=1.0を満足する盛土を対象に動解を実施した結果、変位が50cm以内になったそうです。斜面長を20mとして2.5%以内に収まるということで、大規模地震時の水平震度と安全率を決めたようですね。条件やケース数、2次元か3次元かの区別が書かれていませんので詳細や信頼性は不明ですが、国交省「大規模盛土造成地の変動予測調査ガイドラインの解説」p89-90に示されているように、大規模地震時の動解による歪みが2.5%以内であれば問題ないということですね。
http://www.mlit.go.jp/crd/web/topic/pdf/guideline_ver.3.pdf
(余談ですが、このガイドラインの安定計算の箇所、3次元まで説明がありますね。腹付け型の20度以上、5m以上の根拠も示されています。)

総合的に考えると、2次元の縛りはありますが、SSRMが良さそうですね。最小安全率を有するすべりを円弧に限定せずに探索できますので。安全率の意味はLEMと同等ですし、パラメーターを調整すれば同じメッシュで変形量もチェックできます。(ついでに、圧密も同じメッシュでできます)。作業量も2次元LEMと大差ありませんし。2次元ではBESTな方法ではないでしょうか?
安全率を無視し、3次元の動解にて変位量をチェックするのも、本来の目的に答える形で良いのだと思います。が、こちらは金銭面でお客様に嫌われるでしょうね。

ま、基準内でも、いろいろ泳げそうです。もう少し、読んでみましょう。


2012年4月7日土曜日

盛土造成地の圧密

盛土造成地の圧密は初めてなので、基準に示される条件を整理しました。
基本的には道路土工と同じようですね。

以下、宅地防災研究会「[第二次改訂版]宅地防災マニュアルの解説」より備忘録です。

IX.6.1 軟弱地盤対策の基本的な考え方
1.諸条件の把握
③施工条件
  • 厚い粘土質地盤及び泥炭質地盤・・・3cm/日
  • 普通の粘土質地盤・・・5cm/日
  • 薄い粘土質地盤及び泥炭質地盤・・・10cm/日
  • 単位体積重量は表IX.6-1参照
2.基本的な考え方
①代表土性値は同一土層と考えられるものを、一定区域内でまとめる(特異値の削除)。

IX.6.2 沈下量・沈下速度の検討
  • 一次圧密沈下量の検討を中心に解説。二次圧密は参考程度。
IX.6.3 許容残留沈下量
  • 単位体積重量は表IX.6-2参照
  • 鉄筋コンクリート布基礎で20cm
④低盛土の場合
  • 建物荷重の考慮、不同沈下
IX.6.4 沈下量の計算方法
  1. 間隙比e0を主とした式(e-logP曲線)
  2. 圧縮指数Ccを使用した式(正規圧密に限定)
  3. 体積圧縮係数mvを使用した式(正規圧密に限定)
(実務上は安全側を考慮し、正規圧密として計算する場合が多いと思いますが)

3 . 即時沈下(粘性土)
  • 基本、即時沈下は見込まない(軟弱層厚に比べ盛土幅が広く、一次元圧密と見なせる場合)。
  • 軟弱層厚に比べて盛土幅が狭い場合や盛土端部など、せん断変形が生じる可能性がある場合には検討する
4 . 砂層の沈下量
  • 即時沈下量を求める
5 . 2次圧密
  • 顕著と予想される場合に検討
  • 図IX.6-26参照
IX.6.5 沈下時間量の計算方法
1.計算手順
  • 沈下で無視した薄い狭在砂層も排水層として考慮
  • logCv-logP曲線
IX.6.6 沈下の検討における留意事項
1.計算値と現場における沈下との対応
  • 試験施工で定数、特にCvを修正。できない場合でも沈下測定を実施。
2 . 2次圧密などの長期沈下
  • 軟弱層が厚い場合に著しい。
参考9.14②低盛土に生じる沈下
  1. 軟弱層に接する盛土が低いので、地盤の不均一性に左右されたたわみを生じ、埋設管渠の不動沈下を生じやすい。
  2. トラフィカビリティーの低い軟弱地盤表層に接して施工されるため、一般に盛土の締め固めが不十分となり、造成面の平坦性や道路舗装の維持に問題を生じやすい。
  3. 高盛土のように建設荷重や交通荷重を盛土内に十分分散させることができないので、造成後の載荷重による軟弱地盤の変形や沈下が問題となる
  4. 地下水位が相対的に高く、盛土材によっては地下水の影響を受けて盛土の強度が低下する。
  • 盛土材は良質なものを選び、施工管理を入念に行って盛土を十分に締め固めるとともに、盛土内の排水を良好にすることが必要である。
  • 残留沈下量が目標値を上回る場合には、所定の載荷重以上のプレロードを採用するなどして、不動沈下に対処することが有効である。
  • 道路部では輪荷重が分散することなく軟弱地盤に伝達されるため、路面にたわみを生じ繰り返し荷重により路床・路盤が塑性化して舗装面に著しい亀裂が生じ損傷する例が多い。そのため、サーチャージ工法または置換・表層固結工法などによって地盤の強度を改良する、もしくは舗装・路床の剛性を高めるなどの対策が必要となる。
参考9.15②低盛土道路の沈下
  • 交通荷重の影響に相当する盛土荷重(道路土工)

鳥取砂丘とジオパーク

鳥取砂丘に行ってきました。

子供のころに行ったことはありますが、大人になってからは初めてです。昔の記憶に比べて随分整備されていました。

まずは砂丘の上まで登りました。記憶と変わっていない風景が広がっています。
ただ、ラクダよりも風紋に興味の対象は変わっていました。綺麗な風紋は見ることができませんでしたが、ミニ版を見つけて満足でした。



降りてきてから、駐車場横のジオパークセンターへ。「ジオパーク」は任意団体による観光誘致のための仕掛けだと思っていたので、今まで興味を惹かれませんでした。そのため知らなかったのですが、意外と整備されています。



センターの中に入って驚きました。実体顕微鏡があります。
安息角を測る装置も2種ありました。今回はどちらも34度となりました。会社には下のと似た測定機があり、一昨日測ったばかりでした。こちらの装置の方がよくできていますね。






地層のはぎ取りでしょうか?新旧砂丘砂層の間には、火山灰層が挟まっています。残念ながら、作成法や深度は書かれていません。関連文献も紹介されていませんし、図書も販売されていませんでした。ジオパークセンターですから、対象としている地質に関連する図書くらいは一式そろえて欲しいですね。



お土産屋さんの裏に露頭があるとのこと。早速行ってみました。



立派な露頭です。が、少し砂を被っていました。こちらに先のはぎ取りと同じ説明をつけられた方が親切ですよね。説明書きの看板は一読しただけでは分かりませんでした。地質屋が読んで迷うのですから、一般の方には難しいでしょう。ま、一般の方は深く読まないでしょうから問題ないですが(ジオパークの看板はどういった方を対象に作られているのでしょうか?)。
お土産屋さんの中にある模式図や説明の方が分かりやすかったですね。文献、購入しましょう。



お土産屋さんの前に小さな砂簾ができていました。上から砂が雪崩のように滑り落ちてきます。すべりおちる角度が28~32度だそうです。ま、そんなもんでしょう。






世界のジオパークもいろいろあるようです。
http://www.europeangeoparks.org/isite/home/1%2C1%2C0.asp
こちらの方は Education という項目がありますが、これは良いですね。小さい子供たちや高校生を相手に地質教育のプログラムを提供する。教材としてジオパークを提供する。こういったコンセプトをもった活動が重要なのでしょう。






おまけ。
これもジオパーク!







2012年4月6日金曜日

Kriging with an External Drift

文献を読んでおりますと、kriging によって高精度にオイルサンド貯留層の深度を推定した事例がありました。
中山ほか(2011)地球統計学的手法によるカナダ・アルバータ州オイルサンド開発地域における反射法地震探データの深度変換の高精度化, 物理探査, 64, 5
3つの kriging を試されています。Ordinary Kriging, Kriging with an External Drift (KED), CoKriging です。KED については知らなかったのですが、CK同様に、求めたい物性値以外の物性値セットを利用して推定する手法でした。調べてみると、古い GSLIB には搭載されているようでしたが、SGeMS では探しきれませんでした。

レーダー探査もそうですが、反射法地震探査では往復走時が推定に利用できます。このデータも利用して深度を補間した事例でした。
似たような事例として、地表面標高と基盤面標高の関係を見出して CoKriging により後者を補間している報告がありました。この文献のような標高のトレンドを線形として扱わず、ばらついた値を考慮できるのが地球統計学の優位性ですね。
http://www.chuden.co.jp/resource/corporate/news_76_N07605.pdf

実務では1サイトで30~50本のボーリングを行うことは稀であり、なかなか統計的手法の適用は難しいと思います。が、たまにあるので、こういった事例・手法も頭に入れておかないといけません。
前にも書きましたが、地球統計学は有用なツールで、知らない地質屋よりも、知っている地質屋のほうが優位だと考えます。
http://phreeqc.blogspot.jp/2011/02/blog-post.html

リスク評価としては、こういった統計的手法を用いた数値化やシミュレーション結果を、出資者(土木分野)の土俵上に載せて話さないといけないのでしょうね。前述したように適用しづらいのでなかなか難しいでしょうが。
まあ、機会があれば KED も試してみましょう。

2012年4月4日水曜日

2次元と3次元の狭間

今日もCivil3D + GEORAMA 2012 の続きです。

癖をつかんだこともあり、今日は一度も落ちませんでした。

ただ、細部で改良されたのか、モデリング時に見たことのないエラーダイアログが出てきました。このソフト、Getting Started (PDF)はあるのですがマニュアルがありません。そのため、何のエラーでどこを修正すれば良いのか調べようがないのです。サポートサイトのFAQにもありませんでしたが、大体はメモリの量や扱う地質の最大値を変更すれば良いので、そのあたりの数字を修正していると、動くようになりました。今回は、サウンディングの換算N値を0.2mピッチで大量に入れていたため、ボーリング付帯情報の上限に引っかかっていたようです。

安定して動くようになると、便利な「CAD」だなあと思うようになります。
地表面(地質平面図)、横断図、縦断図の地層・土層の交点が自動で表示されるため、測る必要もなく、その分布を考える作業に没頭できます。また、3次元のデータ(境界面)を作るのに、2次元(土層線)でコントロールできるのが直観的で良いですね。
時には、考えていなかった土層分布をPCに推定されることがあり、解釈すると、なるほどなあと納得させられることもありました。

先日、5mメッシュのLPデータが広範囲で公開されましたが、これは地表面として使い勝手が良いと思います。今まではこの地表面作成がネックでしたので、簡単に3次元とはいきませんでした。
今後は2次元縦横断のみ必要な場合でも(3次元モデルを作ることを目的とせず) GEORAMA を使用するかもしれません。2次元の図面作成を3次元でPCに補助・チェックさせる、そんな使い方が手軽にできるようになりましたので。


2012年4月2日月曜日

GEORAMA 2012 の洗礼


仕事が落ち着いたため、CTC の GEORAMA 2012 を試用しました。

ブログ内を検索すると、昨年もこの時期に update していますね。
大抵の場合、新Ver.の組み合わせは動作に問題があるので、年度替わりの今頃しか怖くて導入することができません。

例によって、今日もエラーが頻発! orz orz orz 
Civil単独では安定しているのですが、組み合わせて作業を始めると、エラーが出るようになります。午前中はクセをつかむのが精いっぱいで、作業が進みませんでした。
どうも、Civil3D 2012 に搭載された詳細レベル表示モードとの問題だったようです。午後は表示モードを切って、ローカルで作業し、こまめに保存することで作業が進むようになりました。

春の洗礼になりつつありますが、そろそろ卒業したいですね。



そういえば、片手間に触っていた XRD 用の PC-98 の HD が復活しました。
といっても、不良セクターを調べてからFORMAT コマンドで system を入れ込んで、データを戻し、config を触っただけです。洗礼を受けていた最中だったので、昔のシステムの方が素直なような気がしました。

2012年4月1日日曜日

地中レーダー探査で体積含水率?

文献の整理をしておりますと、地中レーダー探査から体積含水率を推定するといった報告を見つけました。

これ、調べてみると古くからある研究のようで、多くの方が報告されています。今回は比誘電率と広範囲の体積含水率の関係を、新たに整理しなおした文献でした。
鈴木敬一(2011)「誘電分散を伴う土質試料の比誘電率と体積含水率の関係」物理探鉱, 64, 3

なかなか実務的な内容です。読み終わって、これは使えそうだ!と思いました。が、1つ疑問が。どうやって、比誘電率の震度分布を求めるのか?に引っかかりました。地中レーダー探査(プロファイル法)では、それを知るために既知の深度でキャリブレーションを行って等価な誘電率を設定し、解析するからです。つまり、時間を測定し、速度(比誘電率)を決定して深度を求めているのです(先月理解したばかりです)。
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/03/blog-post_10.html

調べてみると、その答えがこちらの文献にありました。
斎藤ほか (2007)「地中レーダを用いた不飽和土中水分移動解析」物理探査, 60, 6
http://www.jstage.jst.go.jp/article/segj/60/6/455/_pdf/-char/ja/
2種あり、ひとつはボーリングで含水比急変点を確認する直接的な方法、もうひとつは形状より判定する方法だそうです。後者はよく理解できません。さっそく文献を購入しましょう。

同様の内容を、岡大の竹下先生が国土技術センターで講演され、その資料が公開されています。ワイドアングル併用です。分かりやすいですね。ただ、これらの注意点も上記文献で触れられていますが。(余談ですが、この資料の中で、波形をシミュから作られています。どうやるのでしょう。驚きです。)
http://www.jice.or.jp/jishu/t1/201203060.html

文献を読んでみないと分かりませんが、こういった簡易な手法で地下の体積含水率分布がわかると、解像度は粗くても良いので、どこで水が多いか知りたい場合に役立ちそうですね。地すべりの水みち探しや堤防の漏水箇所探しなど、結構役に立ちそうです。

もう少し調べてみましょう。