2011年5月31日火曜日

リモートデスクトップとCUDA その2

NVIDIAのフォーラムに、以下のようなコメントがありました。
http://forums.nvidia.com/index.php?showtopic=188755&st=0&p=1165887&hl=vnc&fromsearch=1&#entry1165887
VNCで検索すると、結構昔から、同様のQ&Aで出ていますね。Win側の有名な制限のようです。皆、一度手に入れた便利な機能は、手放せないんですよ。

VNCでも制限があるようですが、それ以上に問題あるのが計算精度とスピード。
倍精度浮動小数点演算で、Tesla C2050と、2倍弱の差が付いています。
http://www.nvidia.asia/object/why-choose-tesla-jp.html
専門の方に伺うと、GeForceは倍精度がドライバのレベルで抑えられているとのこと。メモリの余裕も違いますね。途中、宇宙線の影響による誤差の話も出てきました。どこまで広がっていくのでしょうか?もはや数値計算とは異なる話です。

結論としては信頼性の面でもTeslaなのでしょう。
価格をネットで調べると・・・30万弱・・・買えません。

2011年5月30日月曜日

リモートデスクトップとCUDA

今日は久々の休日。

昨日購入した CUDA の書籍を読みました。メモリ管理以外はそれほど複雑ではなさそうですね。いったん並列化できてしまうと、GPU に載せるのは容易ではないでしょうか。ただ、メモリ関連の制御は、通常行わないので、慣れるまではミスしやすいところのように感じました。Fortran での仕様は未確認ですが、C とそれほど変わらないと思います。

手元の PC は Radeon なので、会社の GeFoce に Win のリモートデスクトップ Ver.6.0.6で接続し、CUDA の開発キットをインストール、サンプルを動かしてみました。

が、動きません。ドライバーは最新で、CUDA 4.0 に対応しています。
いくつかサンプルを試しているうちに気づきました。・・・あ、リモートデスクトップだ。
Civil3Dをリモートで立ち上げると、ディスプレイドライバが切り替わることがあります。コンセプト表示などしなければ実害は無いので、そういうものなのかと思う程度でした。(←別のPC(Radeon)でした。)
しかし、CUDA を使ったアプリが動かないとなると、問題です。Direct Computing のアプリは動くんですが。どういった違いなんでしょう?理解しないといけないですね。

調べてみますと、Teslaしか対応していないようです。
http://www.nvidia.co.jp/object/software-for-tesla-products-jp.html
http://www.gdep.jp/page/view/170

確かに、演算結果についてはチェックされているため安心ですが、映像出力をカットされると、厳しいですね。マザー(P6X58D-E)にはオンボードグラフィック載っていませんし。CAD の表示を早くするため、次は Quadro を選択しようと思っていたところでしたが、迷いますね。

VNCなど、リモートデスクトップ以外であれば大丈夫でしょうか?

CUDA Fortran

GPGPUが得意な会社も多くあるようで、先週から1社とやり取りしています。

CUDAの指示やコンパイルの仕組みはわかるものの、その細かい仕様は知りません。そこで、今日は本屋さんで CUDA の解説書を購入しました。ついでに前から気になっていたFortran2008も探しましたが、ありませんでした。何が変わったのかな?

ただ、CUDAとFortranの組み合わせを解説しているものは皆無でした。コンパイラーも有料ですしね。ま、CUDAの仕様を知る目的ならCでもいいんですけど。あまり変わらないと思いますし。

結果が楽しみです。

2011年5月28日土曜日

Civil3D 2011 から SXF

対処療法ですが、サポートにも聞きながら変換できましたのでUPしときます。
  1. Civil3D 2011 固有のオブジェクトを全て分解。(縦断ビューなど、平面も含む)
  2. ファイル-書き出し- AutoCADに書き出し-2010形式(分解できていないと書き出し時にエラーとなります。)
  3. 書き出したファイルを開き、不要なオブジェクトを削除(注意!分解でレイヤーが変わっていることもあります。)
  4. 目的のレイアウトをdwgで書き出し。(一つ書き出すだけで30分くらいかかりました。あきらめかけた頃にできました。)
  5. 4で書き出したファイルを CALS Tools でSXF変換
このあと、私は CALS Tools ではなく、V-nas + CADチェッカーで基準適合検査、修正を行い、仕上げます。楽ですよ。http://www.kts.co.jp/seijyou/k_cadcheck/index.html
V-nasで直接dwgを開くよりは、CALS Tools をかましたほ方が、経験的に良い結果が得られます。

根本的な問題はCALS Tools が32bitであることです。2012も32bitでしたから、次こそ出してほしいですね。
分解前のレイアウトからdwg書き出しがメモリーエラーとなるのはダメですね。サポートに引き続き調べてもらっていますが、どんな結果が出るのでしょう。

3次元CADデータの電子納品

3次元CADデータはSXFに対応していないんですね。

あ、逆ですね。SXF Ver.3 では、3次元データを扱えないんですね。
今までオリジナルしか納めていなかったのですが、今日、初めてSXFに変換しようとし、気づきました。
もともと、オリジナルも納める予定だったので問題は無いわけですが。断面図だけでも納めましょう。

しかし、まだ2つの問題があります。
1つ目は、CALS Tools が32bitなので、大きなデータを扱えません。
通常、3次元データは64bitで作りますので、変換時に32bitソフトだと扱えないものが出てくるのです。
変換しようとすると、メモリーエラーで落ちます。

もう一つは Civil3d 2011 にsxfデータトランスレーターがないこと。2010にはあるのですが、Civil3d 2011固有のデータが扱えません。分解するしかないのかなあ?

ちなみに、レイアウトをdwg書き出しすると、メモリーエラーで落ちてしまいます。64bitなのに。こちらはサポートに問い合わせ中です。

変換方法やエラーの原因が分かれば、後日UPしましょう。

2011年5月25日水曜日

RICH-PHREEQ

文献を取り寄せて読んでいますと、RICH-PHREEQ なるものが。
Implementation of variably saturated flow into PHREEQC for the simulation of biogeochemical reactions in the vadose zone

abst. と intro. を読みますと、VBScript で PHREEQC の input ファイルを作り、 USER_PRINTの BASIC で1次元飽和・不飽和輸送をやってしまおうというもの。 USER_PRINT でそんなことができるんですね。結果を書き出すだけのはずですが、どうやっているんでしょう?理解できてません。 Visualization は MATLAB も使うようです。m ファイルの中身をみると、 SELECTED_OUTPUT で書き出したファイルを読み込んでいるようです。

文献の中で HP1 のUpstream Weighting FE と、RICH-PHREEQ の total-variation-diminishing (TVD)で移流成分のなまりを比較しているようですが、後者のほうが良い結果が出ています。TVD、知りません。調べてみましょう。

VBScriptの内容を見たところ、HP1のほうが使い勝手が良さそうです。出番は無いかも知れませんが、上記のような利点もあります。流れは COMSOL+MATLAB に続くようですから、文献を最後まで読んで、BASICの内容を見て、理解しましょう。


2011年5月21日土曜日

MATLAB + COMSOL + IPhreeqc

概要は理解できました。COMSOLで移流分散、IPhreeqcで反応、それらの結果の橋渡しをMATLABで行うというものでした。

最初に MATLAB が 初期化を行ったあと、輸送計算を COMSOL で行います。 次にMATLABが comsol2phreeqc.m で結果を変換し、COMモジュール(IPhreeqc)を呼び出して反応計算を行います。反応の結果を phreeqc2comsol.m で変換し、COMSOLで次のステップの計算を行うといった流れです。というわけで、計算方法は non‐iterative です。HP1と同じですね。

早速、見積もりを取りました。両方合わせて300万を超えました。ムリです。買えません。
大企業か、行動力のある小企業しか無理でしょう。

しかし、お金を出せば3次元飽和・不飽和輸送+化学反応連成計算ができることが分かりました。
ペイできるだけの業務が取れる見込みもありませんし、、当分は HP1 + PHAST で我慢しましょう。

2011年5月20日金曜日

IPhreeqc

PHREEQC 2.18と同時に公開された IPhreeqc、いいですね。
http://wwwbrr.cr.usgs.gov/projects/GWC_coupled/phreeqc/

C、C++、Fortranやなどで利用できるよう、モジュールとして配布されています。

COMモジュールをインストールし、EXCEL2007のVBAで試しましたが、動きますね。びっくりです。ただ、EXCELではメリットないですけどね。MATLAB + COMSOL Multiphysics で3Dの飽和・不飽和移流分散と組み合わせた例があるようですので、文献を取り寄せてみましょう。

Fortran で利用できるため、理屈では Dtransu に組み込むことができます。アイデアはありますが、組んでくれるプログラマー、いないでしょうか。

しかし、USGSはすごいですね。こんなパワフルなコードを、多くの言語で使えるようにモジュール化して、しかも無償で公開しているのですから。お金の流れはどういう仕組みなんでしょう。
日本も見習ってほしいものです。

2011年5月18日水曜日

Civil 3D 2011 + Jツール(日本仕様) (等高線からサーフェス作成)

等高線からサーフェス作成の手順です。

線分をポリラインに変更し、等高線を連結する

  • ワークスペースを「タスクベースのGeospatial」に変更
  • ツール→クリーンアップで次の擬似ノートをディゾルブ(その他必要に応じて)を追加。次の線分でポリラインへ(その他必要に応じて)にチェック、完了
※クリーンアップはラスベク変換後のデータにも有効なコマンドです。

    等高線に標高を与える

    • ワークスペースを「Civil 3D」に変更
    • モデル空間で等高線以外のオブジェクトを非表示にする
    • Jツール→等高線標高設定/入力
    • 主曲線、計曲線間が設定後、標高入力ボタン→1本ポリラインを選択し、標高入力
    • 等高線をクロスするように、基点、次の点を選択すると、クロスした等高線に標高が設定される
    • 取りこぼした等高線は、上記を再度実行するかプロパティーの高度に直接入力する
    • 表示タブ→ビュー→南西アイソビューなどで3D表示し、チェックする

    等高線からサーフェスをつくる

    • ツールスペースパレット→プロスペクター→サーフェスを右クリックし、サーフェスを作成
    • タイプ:TINサーフェス 名前「地表面」など入力する
    • サーフェス→地表面→定義→等高線→追加で 等高線を追加

    ④サーフェスでくぼ地ができた場合、作成された異常な標高ポイントを削除する。

    • サーフェス選択
    • サーフェスプロパティ-サーフェスプロパティ-サーフェススタイル-現在の選択をコピー-表示タブでポイントを表示、情報タブで名前変更、OK、OK
    • サーフェスを編集-ポイント削除

    ※サーフェス作成後、等高線の標高を変更したり削除した場合は
    サーフェス→地表面→再作成でサーフェスを作り直すこと!

    あとはGEORAMAで領域指定し、3次元モデリングのベース図面が完成です。
    等高線がない場合は、GoogleEarthから取り込んでもOK。粗いが非常に簡単です。
    http://phreeqc.blogspot.com/search/label/Google%20Earth
    国土地理院の基盤地図情報(地図、5m、10mメッシュ)も使えます。
    http://phreeqc.blogspot.com/2010/11/givil3d2010-2500-25000.html
    http://phreeqc.blogspot.com/2010/11/civil3d2010dem.html


    2011年5月17日火曜日

    Civil3D2011 (道路中心線形データで地質縦断図)

    道路中心線形データ(xml)をJツールで読みんだ後、分解・ポリライン化・連結しないと、GEORAMA2011で縦断が書けません。しかし、分解すると線形が変わる場合があり、推奨できません。

    結果的に、Civil3D側で作成していたのですが、こちらの方法では柱状図や横断位置が自動で入ってくれません。なんとかGEORAMA機能で作成できないかサポートに相談しましたが、無理なようでした。致命的です。
    しかし、Civil3Dで楽に横断位置を入れる方法を教えていただきました。サポート範囲外のはずですが、丁寧に対応していただきました。感謝です。

    UNDOのエラーについては、サポートでもご存知でした。このエラーのためか、CADデータの中のGEORAMAデータ保存部分が飛んでしまい、GEORAMAツリーに図面名しか表示されなくなりました。特定の動作(計算を含んだり、Civil特有の機能を使うもの?)はUNDOできないため、とりあえずは自分で判断し、気をつけるしかなさそうです。

    以下、道路中心線形データからCivil3D2011での地質縦断図作成手順です。

    ①Jツール→道路中心線形データ 読み込み
    • 国交省仕様テンプレートを使用してない場合は縦断スタイル設定(②③の作業)が必要 (テンプレート使用時は④へ)。テンプレート使用が絶対に効率的!使いましょう。
    ②線形ラベルの変更
    a)ツールスペースの設定タブで 線形→ラベルスタイル→測点→主測点を右クリック→新規作成
    • 情報タブの名前に「20m測点」 など入力
    • レイアウトタブ→文字→コンテンツを編集.「・・・」ボタンをおすとテキストコンポーネットエディタが立ち上がる。右の黒い画面をクリックし、すでに入力されている測点値を選択(画面右の方で隠れている)
    • 単位「m」
    • 形式「測点インデックス形式」
    • 出力「測点文字の左」は必須。他は好みで。
    • 設定できたら上の「⇒」ボタンを押して反映
    • 右の黒い画面で反映された測点の前に「No」を入力→OK
    • レイアウトタブ→文字→回転角度「90」→OK
    b)図面上でラベルを選択し右クリック→線形ラベルを編集
    • 主測点ラベルスタイルを、上で作った「20m測点」などに変更
    • 追加ボタンを押すと 下に表示される
    • 増分を「20m」に設定
    • 測点インデックス増分を「20」に設定→OK
    ③ 国土交通省の縦断図を作成するための設定
    Jツール→ヘルプより「国土交通省の縦断図を作成するためのルール」に沿って、縦断図を書く前のスタイル設定を行う(この作業、ヘルプでは必須となっていますが、飛ばしても良いと思われます。)

    ④縦断図の作成
    Jツール→ヘルプより「国土交通省の縦断図を作成する」に沿って作業する。
    この時、手順1の段階で地層のサーフェスも一緒に選択、追加すること
    ※柱状図は自動で表示されない!しかし、④の作業でボーリングポイントを通しておけば楽。

    ⑤横断交差位置の記入 
    a)横断抽出ラインの作成
    • メニューバーの横断→横断抽出ライン作成
    • enterを押して道路中心線の線形選択、
    • 横断抽出ライングループで地質サーフェスをすべて選択、OK
    • 左幅、右幅を指定。終わったらenter
    ※横断ビューまで作成する必要はない。

    b)横断抽出ラインの記入
    • 道路中心線形縦断図をクリックして選択→縦断ビュースタイルを編集→表示タブ→横断抽出ラインの測点グリッドの表示をオン、適用、OK

    2011年5月16日月曜日

    降雨による斜面崩壊

    今日は榎名誉教授(鳥取大)による模型実験の講演を聞いてきました。

    簡易三軸試験や地震斜面による崩壊、砂杭形成、液状化など、いくつかの模型実験を見せていただきました。啓蒙といった要素もありましたが、どれもシンプルで分かりやすいものでした。

    その中で、降雨による斜面崩壊実験がありました。ちょうど最近悩んでいた不飽和の浸透と崩壊に関する研究かと思いきや、その反対でした。
    「降雨による斜面崩壊の機構として、①見かけの粘着力喪失、②単体の増加、③基盤岩上の間隙水圧の増加が考えられる。これらは非定常浸透流解析と安定解析を併用するのが一般的であった。」
    そうなんです。一般的だったそうなんです。知りませんでした。しかも過去形。
    「①②が主要因なら、斜面上部・下部で破壊確率は同じはず。しかし、模型実験や現地実験ではそうはならない。」ということで、③をベースにしたモデルを提案されています。要はサクション低下や空気圧をそぎ取った、従来法に近いシンプルなモデルなのです。
    当然、基盤岩上の土砂の薄いほうがすべり易くなります。「切土で、少し風化したくらいが危ない」とおっしゃっていましたが、妙に納得できました。

    しかし、厚い場合はどうなんでしょう。「厚いほうが雨には有利」とまでおっしゃっていました。確かに、このモデルではそうなるでしょう。しかし、盛土や堤防の破壊は、従来通りの浸透・飽和領域への着目で解決できるのでしょうか?不飽和の変形を研究されている方と、着目点(適用性)の違いは何なのでしょうか?
    質問したところ、厚い場合の実験は無理だが理屈は同じ飽和領域の分布であるという趣旨のご説明をされました。厚い場合でも不飽和の強度低下や間隙空気圧は考えておられません。

    まだまだ私の知識は点の状態です。それが線として繋がるまで、努力が必要だということが分かりました。参考書も教えていただいたので、勉強です。まだまだ学ぶことがありプレッシャーですが、できることを一歩ずつですね。

    トンネルの事前調査

    トンネルの事前調査は当たらないと言われます。

    その困難さは、断層位置や亀裂など、弱線連続方向の推定が困難というところに集約されます。

    また、それ以外に地質断面図の精度の問題があります。地質屋さんが5mのずれを気にして地質断面図書くことはほとんどないでしょう?探査側線とRの入った線形が5m程度ずれることはよくあります。ボーリングも現地状況に応じ、側線からずらしたり、わざと川手で掘ることもあります。それらを同一の断面に集約・投影して書くことが常識となっています。トンネル構造物に幅があるからです。
    しかし、高角の断層などは、そのズレによって致命的といえる程、出現位置が変わってしまいます。そんなに推定精度は無いと思って投影していると、BTVの情報を生かしきれない図面になるわけです。

    解決するには、得られた情報をありのままの位置に再現するしかありません。3次元で地質を作れば良いのです。地質・亀裂形成過程の考察が正しければ、投影よりも精度は格段に高くなります。設計時の線形変更にも対応できますし、川手、山手の側壁位置の断面図も簡単に作成できます。

    トンネルの事前調査では「踏査」「BTV」「3次元」「発達史」が重要キーワードではないでしょうか。

    2011年5月11日水曜日

    Limestoneベースの中和バリア その4

    GW中に終わらなかった中和バリアの計算ですが、Ratesに流速の影響を取り入れることで比較的再現性の良い結果が出ました。まだ詳細は詰めていませんが、結果は以下のようになります。

    実測値と比較すると、12日以降のpHがやや高めに出ていることが分かります。計算のほうがCalciteの溶解をやや過大に評価していることになるため、この段階でもアモルファスの影響を考慮しないといけないということになります。このモデルはすでに試しており、結果も良い方向に出ています。あとは同定作業が残るだけとなっています。

    ここまで来ると、吸脱着であろうがイオン交換であろうが、熱力学データさえあれば同じ手法で解けます。重金属の問題や酸性水、溶解・沈殿など、いろんな問題に適用できます。重要なのは水側(浸透流+移流分散)ではなく、地球化学反応側であるということも新しい発見でした。

    問題を解けるかどうかは、①地質屋が岩石・鉱物を見て、いかに適切なコンセプトモデルを組み立てられるか、②それを立証するための試験を提案できるかどうか、という点に懸かっているということです。

    Civil3D2011でエラー

    Civil3DでUNDOを複数回実行すると、エラーの起こる可能性が高いようです。
    3次元を扱っているときに多いような気がしますが原因がはっきりつかめません。検索しても引っかからないですね。サーフェスを扱う場合に2007では直ったという報告はありましたが、2011は情報なし。
    今日は急ぎの仕事があったのに、エラーで落ちた後、まともに立ち上がりません。修復してもダメ、再インストールでようやく直りました。つい、CTRL+Zを何回もやってしまうんですよね。

    もうひとつ。
    サーフェス3枚をレイアウトでコンセプト表示させています。レイアウトにビューが3つあり、それぞれ表示させるサーフェスを変えています。ところが、まともに印刷できません。表示も不安定。どこかのサーフェスが表示されなかったり、印刷されなかったりします。PCのスペックは良いので、ソフト側に原因か?64bit版なんですけど。調べないと・・・

    2011年5月9日月曜日

    地すべりに対するトンネル技術者と地質技術者の想い

    地すべり地帯を道路トンネルが通過する場合、トンネル技術者、地質技術者の両方が検討に当たります。

    トンネル技術者は線形を振らずにコストのかからない補助工法、掘削工法で地すべり地帯を切り抜けようとします。そのため、トンネルからの排水を地すべりに対する安全率向上と位置付けたい想いが伝わってきます。定量的評価のための浸透流解析を実施し、地下水低下を積極的に評価したいという想いです。ただ、排水トンネルを設計する場合には排水は無視、2Dの離隔距離をとる設計を行うはずです。

    地質技術者は道路トンネルを抜く前に所定の安全率を確保する必要があること、inputデータに幅があり浸透流の結果通りに水圧が落ちない(所定の安全率に達しない)恐れがあること、経年劣化(目詰まり等)の恐れがあることから、地下水低下効果を無視したい想いがあります。ただ、渇水影響評価をする場合には積極的に地下水低下を見込むでしょう。

    技術論として、変形解析で緩み領域を評価し、浸透流解析で地下水変化を予測できるわけです。それらを組み合わせて安全率を算出すれば、実務上の対策設計が行えます。

    基準に甘えた技術者が、判断する努力を怠っているだけなのかもしれません。

    2011年5月8日日曜日

    不飽和斜面の安定性

    不飽和斜面の変形に関する研究に携わる予定でしたが、諸々の理由で中止となりました。

    ただ、今ない分野を開拓し、実用化を検討することは必要なことです。仲間と話をしていて、体積含水比によりc、φを変化させるプログラムがあれば、間隙空気圧を考慮するよりは実用的だよね、ということになりました。このGWの間、(間隙空気圧の考慮も含め)不飽和斜面の安定性を検討可能なソフトを探していたのですが、なかなか見つかりませんでした。
    ところが、地盤工学会「不飽和地盤の挙動と評価」を読んでいると、上記の考え方の例が掲載されていました。1990年代の例です。10~20年前です。知りませんでした。

    実務で広がっていないのは、不飽和のせん断、保水性試験等に時間、コストがかかるからでしょうか?「安定勾配」といった基準があれば、盛土の設計には必要ないからでしょうか?繰り返し円弧と経験的な目標安全率が掲載された基準を持ち出せば、自然斜面でも必要なかったからでしょうか?やはり重要物件でないとコストをかけて実施する「流れ」ができなかったものと思われます。

    解き方は浸透と変形の連成・非連成の2種あるようですが、後者のほうが簡単です。これなら、浸透流をかけた後、サクションの等高線にそってレイヤー分けを行い、それぞれに該当するc、φを当てはめ、SSR法ですべり面を探査すればOKです。今ある技術でも力技で解くことができますね。

    厳密にはレイヤー分けの個所をθ-c、φ関数で表現し、非定常の(リアルタイム?)安定解析に取り入れていると思われますが、テキストには詳細が書かれていません。文献を当たる必要がありますので、早速注文しましょう。

    2011年5月7日土曜日

    Limestoneベースの中和バリア その3

    比表面積を変えたり、アモルファスの沈殿を取り入れたりしましたが、幅が小さくなりません。仕方がないので、もう一つのフィッティングパラメーターを変更したり、アモルファスによるArmoredを考慮してみることにしましたが、これもダメでした。


    A/Vはバッチ試験では固有のフィッティングパラメーターになるのですが、PRBsやカラム試験では流速によって変化するはずです。そこで、Rates中のAreaの算出式に、流速に応じた補正項を加えることにしました。PHREEQCではBASICでRatesを改変できるので、簡単に処理できます。結果は明日です。


    そういえば、PHREEQCがVer.UPしていますね。2.18です。
    キーワードやプログラムが増えていますね。時間があるときに見てみましょう。

    2011年5月5日木曜日

    Limestoneベースの中和バリア その2

    PHREEQC のみでバッチ式の平衡計算をしてみたところ、以下のようなpHの変化となりました。

    Solution 1001 pH 5.7
    Calcite 0.1mol 追加 ⇒ pH 11.2(Calcite 過飽和)
    Calcite SI 0 ⇒ pH 8.4(Calcite 沈殿)
    Eq_Phase O2, CO2 ⇒ pH 7.9(大気圧と平衡)
    Eq_Phase Al(OH)3(a), Fe(OH)3(a) ⇒ pH 8.15(Closedでアモルファス沈殿)
    Eq_Phase O2, CO2, Al(OH)3(a), Fe(OH)3(a) ⇒ pH 7.9(Openでアモルファス沈殿)

    第10回の公開資料ではpH5.7程度の流入に対し、6.5~7.0程度の流出が確認されています。上記の結果と比較すると、Calcite に飽和していない状態と考えられますね。
    アモルファス沈殿もいくらかはあるはずですが、SI=0までは達してないでしょう。少なくともコルゲート流下中にも沈殿してきているわけで、それでまだSI=2以上いといった過飽和を保っているわけです。1.6mの中和層で一気にSI=0の瞬時平衡のモデル化は不自然です。最初は「なし」で行きましょう。
    第11回の長期実験では、沈殿物による中和機能低下が認められています。Calcite の rates に armored 効果を組み込む必要がありそうですが、それには沈殿の Rates も必要となります。しかし、これは、正攻法で行かなくても、①短期実験で Armored 無視 > Rates  (Calcite) の A/V を決定、②長期実験で Armored考慮 > Rates  (Calcite) に組み込み Fitting で良いとおもいます。今回は①までで②は次の段階になりそうですね。今のコンセプトモデルでの計算がうまくいけばの話ですが。

    さて、HP1での本解析1発目の計算結果がでました。pHは5.5~6.3となりました。やや低めです。その割に幅が広い。アモルファスをある程度取り入れないといけないでしょうか?フィッティングパラメーターとしている比表面積を変えてもう一度計算してみましょう。
    結果はまた明日。

    桂浜の五色石

    高知県の桂浜に行ってきました。

    浜にはいろんな石がありますね。石英、泥岩、砂岩、チャート、凝灰岩、結晶片岩など。


    特に面白い石もなく、写真もたまたま1枚撮っていた程度でしたが、帰りにお土産屋さんに寄ると、「5色石」として売られていました。ネットで調べると、有名らしいですね。最近は取れないと書いてありましたが、5色以上ありましたよ。

    2011年5月3日火曜日

    Limestoneベースの中和バリア

    国土交通省多治見砂防国道事務所より酸性水中和バリアの実験データが公開されています。こちらの第10, 11回の資料です。http://www.cbr.mlit.go.jp/tajimi/suishitsu/index.html

    簡易なPRBです。水質データもそろって公開されている貴重なものです。貝殻で良い効果が得られている点も面白いですね。
    実験は目詰まりによる機能低下により中止され、洗浄後の機能回復も芳しくないことから、中和プラントでの対策へ移行されたようです。おしいですね。Fe や Al 、その他の金属は確実に除去できていたと思います。また、 PRB の設計では洗浄孔を設けるようになっているようですが、その重要性が証明されています。素人目ですが Limestone ベースの PRB の前に ZVI などの PRB をかませておけば、金属類の除去と目詰まり対策(longevityの拡大)につながったのでしょう。参考書にも載っていますので、そこまでは実験してほしかったですね。
    http://phreeqc.blogspot.com/2011/01/handbook-of-groundwater-remediation.html

    計算せずに放置しておくのももったいないので、この実験を HP1 (HYDRUS 1D + PHREEQC) で再現することにしました。
    流路長は1.6mの水平1次元とし、流入量、流出量は単位面積の通貨量に補正。境界条件は浸透に対し両境界とも Flux 固定、濃度に対し上流側 Flux 固定、下流側勾配0としました。
    計算を安定して回すために SOLUTION_SPECIES で以下の項目を加えています。これはメジャーなテクニックですね。                               
    H2O + 0.01e- = H2O-0.01; log_k -9.0

    さて、計算には時間がかかりましたね。かなり収束しにくいようです。1発目の計算でモデルを詰めてないこともあるでしょう。公表されている16日の非定常計算で3時間20分かかりました。何かミスをしているんでしょうね。
    とりあえず回ることは確認できましたが結果はダメ。O2やCO2の溶存を考慮していないのでpHの挙動は想定通りですが、それ以外にも12日の体積含水率がおかしい。この辺の詰めは明日以降ですね。今日は反応のコンセプトモデルだけ実際に近づけて終わりにしましょう。上記の溶存とFe、Al系鉱物の沈殿を取り入れてるだけですが。

    あ、それと PHREEQC は現行で Ver2.17 ですが、HYDRUS 1D Ver.4.14 のHP1 では 2.14 を使用しているようです。EQUILIBRIUM_PHASES のprecipitate_only はVer.2.17からのコマンドなので、現行の HP1 では使用できません。気をつけましょう。

    変形解析は難しい

    変形解析は難しいとつくづく思います。

    トンネルの変形では全応力解析を行いますが、どうしても有効応力解析を行いという依頼で調べました。当然、私の力では限界があり、プロに問い合わせいろいろ教えてもらいました。やっぱりプロの力はすごいですね。

    ひずみ軟化と剛性変化の違い、圧密で使うbiotのモデルの適用性、その組み合わせ、適用可能なコードなど、まだまだ理解していないことが山ほど出てきました。

    今年は変形やりたいですね。水-土連成や動的解析など、課題はたくさんありますが、一歩づつですね。あせらずに行きましょう。

    2011年5月1日日曜日

    Inverse Solution その3

    今日は多層での逆解析を試してみました。

    うまくいけばラッキーと思いながら、パラメーター5種×4層=20種を同時に同定させようとしました。当然エラーが出ます。しかし、収束しないというメッセージではなく、NpaDがオーバーしているとのこと。なんのことだろうと調べてみると、FAQとヘルプにありました。一度に同定できるのは15種までのようです。
    2. Maximum number of optimized parameters
    The maximum allowed number of optimized parameters (NpaD) is currently set at 15. However, please, do not optimize that many parameters simultaneously. The unsaturated flow problems are inherently ill posed, and thus not too many parameters can be optimized simultaneously. I have never successfully optimized more then 5 to 6 parameters. Then the problems usually become nonunique. The problems of unsaturated flow are different than those of the saturated flow, where I know that it is common to optimize many more parameters simultaneously.
    http://www.pc-progress.com/en/Default.aspx?hydrus-faq-01-10#k2

    次に、データ数を増やそうと5万点を入力しようとすると、「1から32000までの整数を入力してください」とのこと。なぜここだけ日本語のダイアログが出てくるのかなあと思いつつ、32000データにeditorで修正。その後、計算を回しましたが、今度はNOBがオーバーしているといったエラーが出ます。NOBは何なのか調べてみると、観測データのことのようです。「おかしい。32000までにしているぞ。昨日は1万点で回ったぞ。」と思いながらさらに調べましたが今度は一向に引っ掛かりません。
    試行錯誤の末、データ数が15000点以内であればエラーが出ないことが分かりました。あの日本語メッセージは何だったのでしょうか?

    ようやく同定に手をつけることができたのは午後でした。しかし、想定通り?うまくいきません。欲を出して一度に多く求めようとするとダメです。上記の記載通り、1層、5つづつパラメーターを同定していくことにしました。(それでもすごいと思います。)

    同定自体は無理な数字を入れない限り、比較的安定していました。層が多くなるとちょっと難しいようですが、3層くらいまでなら比較的容易に求められました。今回は上方および側方の蒸発散を無視していますので結果は「まあ、こんなものでしょう」といった程度でしたが、実際1次元で模擬できるような室内試験などでは威力を発揮するでしょう。飽和透水係数やθr、θsの同定ができるのが魅力的です。Instantaneous profile method と組み合わせると威力を発揮しそうです。

    とりあえず、実務でどの程度使えそうかは理解できました。今後、チャンスがあれば使用していきましょう。